Fri.

蟲とか霊とか妖とか

「妖」は「あやかし」と読みます。
変換できなくてショックでした。

『夏目友人帳』がアニメ化ですよ。
わーい!....とは素直に云えず....と云うのもですね、あの作品は大事なことが余白にあると云いますか、映像にすると「語り過ぎ」になるような気がするのですよ。
物語にはそれぞれぴったりの表現方法があり、それは実写映像であったり活字であったり様々だと思うのです。ですから例えば何か漫画がヒットしたとして、それをTVアニメ化してノベライズを出して映画化して実写ドラマにもする、という最近では珍しくない展開は、物語を消耗し尽くすように見えてなんだかなぁと思います。
テレビを見ない私が気を揉んでも仕方が無いのですが....。
それにしても白泉社はこのところアニメ化乱発ですね。

「霊」は『東京ゴースト・トリップ』のドラマ化です。
これはびっくりしました。まさかあの雑誌からこんなことが起きるとは。深夜ドラマ(ですよね?)にはぴったりなお話ですね。
次はぜひ『S◊』でお願いします。(むりむり!)

「蟲」は出たばかりの『蟲師』9巻です。
これから読みます。
livre コミック | cm:0 | tb:0 |
Thu.

あんだろ・はにろ

ひでぇ風邪だ。

いえ、もう、ちょっとキャラが変わってしまう風邪ひき週間ですよ。
なんですか、こう....咽の奥の方からチューニングの合わないラジオみたいな音がするのです。延々と。煩くて苦しくて眠れません。
しかしながら、こんなことでは休めないのです。休まないから長引いているのではという気もしますが、しかたないのです。
もう数日冬眠したく思いますけれども、あまりにもショックなことがありましたので出てまいりました。

Under the Rose (3) 春の賛歌    バースコミックスデラックス今年最後のマンガはこれよ! と決めていた船戸明里さんの『Under the Rose』(幻冬舎コミックス)の5巻が発売延期になってしまいました。いつになるかは未定だそうです。うわ〜ん!
(泣きながら表紙画像をお気に入りの3巻に設定)

これはweb雑誌『スピカ』の連載で、でもこれはWinでしか読めないので私は連載を追えず、年1回のコミックスの発売をいつも心待ちにしているのです。
嗚呼、それなのにそれなのに!

そしてですよ、『Under the Rose』(あんだろ)前に発表されて、それ以後読めなくなっていた『Honey Rose』(はにろ)がweb限定販売されると云うではありませんか!
ずっとずっと読みたかった『はにろ』です。
ついに!
それなのにまたしても「Winのみ」、おまけに「コミックス化の予定なし」だなんて......。
こういう時は何て云うのでしたっけ。
「耳から指突っ込んで奥歯カタカタ云わしたる」ですか。

もうだめです。
ショックで私の風邪は治らなくなりました。

ちなみに『あんだろ』というマンガは、英国ヴィクトリアンものです。
英国ヴィクトリアン・コミックと云えば、森薫さんの『エマ』のヒットが記憶に新しいところですが、私は物語も絵柄も『あんだろ』の方が好みです。
この作品に漂うひんやりとした昏い空気が大好きなのです。
あ、今だけ第1話の試し読みができますよ。

それでは、再び冬ごもりです。
明日はこれまた待ちに待った『Danza』の発売ですよ。
もちろんクマ付きの限定版を予約してありますよ。
新作の『PPB』も面白かったです。『Danza』の最終話と一緒に、次の連載につながるのですよね。
楽しみなの〜。
livre コミック | cm:8 | tb:0 |
Wed.

génie ou fou ?

『のだめカンタービレ』の新刊を読みました。
そろそろ惰性で読んでいるような気がしてきています。
別の音楽マンガでちょっと面白いのを読みましたので、そちらをご紹介します。

101人目のアリス (WINGS COMICS)『101人目のアリス 』(かわい千草 新書館)です。まだ1巻が出たばかりです。

田舎から出てきて音楽学校に入学した少年アリスティド。
彼はただの新入生ではありません。1学年定員100人の超エリート校に、101人目として入ってきたのです。田舎者なのに規則を曲げるほどの腕前なのかと、周りの生徒たちは身構えます。
当のアリスティドは初日から田舎で鍛えたおおらかさを発揮して、行く先々で騒ぎを起こし、違う意味で注目の的となります。

ようやく始まった授業。
ヴァイオリン専攻のアリスティド、彼の音は....。

楽器を鳴らせばギーコギコ。
譜面を見れば目がしょぼしょぼ。
先生の指示もチンプンカンプン。

そう、特例どころか音楽の基礎など何も無い「場違いくん」だったのです。
当然生徒の間では反感の嵐。あっちこっちから厭味が飛んできます。
けれどもそれで小さくなっているアリスティドではありません。彼にはどうしてもこの学校に入らなければならない「目的」がありました。
それは....。

作中、1曲だけアリスティドが完奏する曲があります。
その場面を見て、この作品を気に入りました。
友達もできて寮生活も楽しそうです。
もっとも本当はアリスト(最高)と呼ばれたいのに、いつの間にかアリスとしか云われなくなってはいますが。
楽器を弾く子ばかりが出てくる割には、素敵な演奏シーンはまだほとんどありません。今後の展開に期待しつつ......Wingsの連載なら年1冊かなぁと気が遠くなるのでした。
livre コミック | cm:0 | tb:0 |
Wed.

花の名の娘

CDは予定通り手に入れることが出来ました。
お話はまた後ほど....。
今日は別のお話です。


ルネサンス華やかなりしイタリアに、数多の芸術家が瞠目する、若き天才女流画家がいた....。

白のフィオレンティーナ(1) (冬水社文庫)それが『白のフィオレンティーナ』(戸川視友 冬水社文庫)というマンガです。文庫版がこのほど完結いたしましたので、晴れてご紹介です。

フィオレンティーナは16世紀フィレンツェの少女。何よりも絵を描くことが大好きで、いつか画家になりたいと夢見ています。
けれども当時は女性が画家になるなどあまりに非現実的なこと。「女に芸術が解ってたまるか」という時代です。彼女の父も「そんなくだらない夢は捨ててさっさと嫁に行け」と吐き捨てます。
それでも諦めきれないフィオレンティーナはある日、悲しみに暮れる中、道端にチョークで聖母を描きます。そこへ......。

歴史好き、美術好きな方におすすめの作品です。
フィオレンティーナにあるのは「画家になりたい。絵が描きたい」という想いだけ。有名になりたいとか有力者に取り入りたいなどといった邪心はありません。でもこの時代は、現在のように作品を生み出すだけで画家と称することは不可能です。描いた絵を買ってもらって注文を受けて、初めて画家になるのです。
となると絵を注文できるのはお金持ちの有力者。様々な思惑の中で動く人たちがどんどん現れます。また、女性が絵を描くことを良く思わない人々の意地悪もあります。素直な心を持つフィオレンティーナがどう乗り越えるのか、が読みどころです。

実在の芸術家がたくさん登場するのも本作の面白さ。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ......もっともキャラクターの造形は多分に少女マンガ的なので、その辺りは予めご了承ください。

作者の戸川視友さんは歴史物がお得意で、現在はマルタ騎士団に女性騎士がいた!? という『海の綺士団』を連載中。こちらも面白いですよ。

戸川さんが描いておられる冬水社という出版社はちょっと特殊なところで、3年ほど前までは扱っている本屋さんがごく限られていました。私もいつも遠くまで買いに行っていたものです。最近ではあちこちのお店に並ぶようになって、Amazonでも揃っています。
ここの作家さん(特にベテランさん)は物語がしっかりしていて面白いのです。おそらく画力よりストーリーが重視されているのでしょう。新人さんは絵を見て「!」となることもあります。(でも読めば納得)
機会がありましたら、また別の作品のお話をさせていただきたく思います。
livre コミック | cm:0 | tb:0 |
Sat.

孤独の中で渇望するもの

本のお話が続くのは、人生を怠けているからです。
........うわー!!

鎖衣カドルト (WINGS COMICS)さ、やっと出ましたよ。(パンパンと手を叩いて)
『鎖衣カドルト』(吟 鳥子 新書館)。
「鎖衣」と書いて「さい」と読みます。
作者の吟 鳥子さんは大好きな漫画家さんの1人です。『架カル空ノ音』のお話になるとやたら燃えます。メラッ。
『カドルト』はこれ1冊で一応完結しています。途中でお怪我のため休筆されたこともあって、第1話から2年以上もかかりました。出て良かったです。

鎖衣とは、作品世界である「鎖の国」の神祇官のことです。神祇官そのものと、彼らが纏う装束も鎖衣と呼びます。その名称通り、神祇官の装束の上に鎖を幾重にも巻き付けるのです。
鎖が表すのは人間が犯す罪、守るべき法、世を成り立たせる道徳。
鎖衣は枷にも見える鎖の拘束によって、何の益ももたらさない「連鎖」を断ち切るよう人々に訴えます。それは憎しみの連鎖、悲しみの連鎖、傲慢の連鎖....。
鎖の国には神への信仰がありません。鎖衣の存在こそが民の「人としての有り様」の拠り所なのです。

さて主役のカドルト、元は貴族の生まれです。
けれども豊かな暮らしをする自分と貧民の違いに悩み、鎖衣となります。
貴族であった過去を捨て、貧民街に居を構え、ひたすら人のためになることを心掛けます。神祇官である彼は武力を持ちませんから、傍らには馴染みの鎖騎士、ラダンがいます。
ラダンの役割はカドルトを守ること。治安の悪い貧民街での安全のためでもありますが、それ以上に「カドルト本人」から守らなければならないのです。
どういうことかと云うと、カドルト様は極度の「死にたがり」なのです。
何かにつけて「私が悪いのだ。死ななければ〜!」と大騒ぎになる困った神祇官様です。
2人のやりとりはシリアスなこの作品中の貴重な息抜きです。

読み切り連作なのですが、後半、隣の「水の国」から難民が押し寄せるという長めのお話があります。これが本作の白眉です。
水の国の人々は水の神を強く信仰していて、困難を祈りによって乗り越えようとします。この姿勢は神を持たぬ鎖の国の人々には理解し難いものです。
この事態によってカドルトは、神の存在、幸福の形という大きな問題と向き合うことになります。

過去の体験から「神はいない」と叫ぶラダン。
「祈るのも憎むのも、その先に神がいるからこそ」と云う水の巫女。
神の代わりに鎖で律することで、孤独の内にいると思い知るカドルト。

どれが正しいかという明確な答えは出せません。物語は懐の深い見解を示しつつ、最後の一押しは読者に委ねます。
唯一連載の形になったこの最終話は、かなり間を空けての掲載だったために、なんとなくすっきりしない印象を持っていました。こうしてまとめて読んでみると....なんだ、面白いではありませんか。買わなくても良いかなとまで思った私は浅はかでした。

今日はついでにオノ・ナツメさんの『DANZA』特装版を予約しました。
何が付いてくるのかな。
livre コミック | cm:0 | tb:0 |
Wed.

さびしい やさしい

わんの実 2 (2) (花とゆめCOMICS)
『わんの実』がでたわん。
 待ってたわん。
 嬉しいわん。



『わんの実』(岡崎呼人 白泉社)ですよ。
表紙にいる耳としっぽのついた男の子は、本当は子犬です。
名前はイヌノミ。
マンガではずっとこの姿ですが、人間たちには犬に見えていることになっています。お喋りしても「わんわんわんわんわん」としか聞こえません。つまり「人間の言葉が喋れるわんこ」ではないのです。

イヌノミは訳あって海涼(みりょう)君という新しい飼い主に引き取られます。
海涼君はぶっきらぼうで表情の乏しい男の子です。そして拙いことに犬アレルギーなのです。
でも彼は非常に解りにくい愛情でもって、イヌノミと共に暮らそうとします。その解りにくい優しさはだんだんイヌノミにも伝わっていきます。

これだけならほのぼのとしたお話になるのですが、実は海涼君とイヌノミは、あるものを待っています。どちらも心から待っているのですが、それが訪れたら彼らはお別れしなければならないのです。
こんな持って回った説明では全然お薦めになりませんね。(もじもじと赤くなって)

海涼君は本当は思いやり溢れる優しい男の子です。
でも周りの人にはそのことがあまり理解されず、誤解を招き誹られることもあります。そんな時、彼は言い訳をしません。自分は悪くないことや、親切をしたなどと声高に訴えることをしないのです。
海涼君の優しさは、いつも相手のためのもの。周囲に認められて誉められるためのものではないのです。そのことを、イヌノミはちゃんと見ています。
2人とも、さびしい気持ちを知っています。
だから誰かのさびしい気持ちを思いやれます。
そして、やさしい「優しさ」を持っています。

実はこういう擬人化ものは好きではありません。
でもイヌノミは特別です。
わんこやネコミミって人気がありますけれど、ほんと、好きではないのです。
でもイヌノミは特別です。
....(はっ)....もしや私は隠れケモミミ属性なのでしょうか。
いや、そんなはずは....。
あ、擬人化は好みではありませんが着ぐるみは好きです。
ということは、やはり!

急にぐるぐるしてしまいましたが、作家さんのお話を少ししましょう。
岡崎呼人さんは、キャリアはかなりあるのにコミックスはこの『わんの実』だけなのです。雑誌掲載の数は少なくないのに、ほとんどが読み切りの短篇です。最近はマンガの短篇集は流行らないそうですね。私は1話完結も結構好きなのですけれど、私が好きなだけでは本は出版されません。

どの作品も、心優しい人たちのお話です。
誰かを悲しませるぐらいなら自分が痛みを引き受ける方を選ぶ。そんな繊細な気持ちが、ちょっと寂し気に微笑んでみせるところが大好きです。
今までの物も本になると良いなぁ、と願っています。
多分、短篇集を3冊ほど一気に出せるぐらいには作品が発表されているはずなのです。
いったい何が阻んでいるのでしょう。

ここで横道に逸れて....。
もう1人、コミックス化を待っている作家さんがいます。
モリエサトシさんのご本はいつ出るのでしょうか。
モリエさんも心をそっと震わす作品を手がける方です。そうだ、『わんの実』を気に入ってくださる方ならきっと好きになっていただけると思います。
特に好きだった『猫の街の子』がシリーズ化された時は、今度こそ! と張り切ったのですけれど。うまくいかないものです。
私の趣味が主流から外れているのでしょうか。
お2人とも、これからも静かに応援させていただきますよ。
livre コミック | cm:7 | tb:0 |
Mon.

過ぎ去りし夏

9月になりましたよ。
祟りのような暑さもどうにかこうにか落ち着いてきました。
秋が来た、これからは涼しいのだと思い込むために、今年の夏を振り返ってみました。

びっくりするほどマンガばっかり読んでいました。
刊行サイクルという本の方の都合で、もとから夏はマンガをいっぱい買う時期なのですが、買わずに読んだものも含めると......いやぁ、よく読んだなあ。(聖母のごとき微笑みを浮かべて)
私はマンガを読まない子供でしたから、「勉強しないでマンガばかり読んで!」と叱られた経験はありません。でも今まさに自分で自分を叱りたいです。
「大人なんだから!」も付け加えて。

どれも面白かったので(と云うより読んで面白かったものしか買っていないのですが)、買ったものだけささっとご紹介。

ノスタルジックバリエ『ノスタルジック バリエ』(木々 幻冬舎)、出たのは少し前ですがこれを買ったのが夏の始まりでした。
木々さんは、とにかく絵が好きな作家さんです。キャラクターは皆きれいでかわいくて、背景もすっきりと美しい。
このバリエシリーズ(正式名称は「魔術使いシド&リドシリーズ」ですが、長いので「バリエ」と呼んでいます)は木々さんの代表作に当たります。そしてこのほど出た『ノスタルジック バリエ』で完結しました。

最終巻という響きにびっくりです。
バリエは出版社を変わりながら長〜く続いて、私が最初に読んだ数年前には既に「もう何年も続いている」作品だったのです。ですからなんとなく「バリエは終わらない」と思い込んでいました。特に幻冬舎に移ってからはウェブ連載になったので、私にしては珍しく連載を追わない作品になりました。そのため完結したことに気づかなかったのです。
本屋さんで初めて知って「バリエって終わるんだ!」。事情を知らない知人に「そりゃ終わるでしょう」と冷静に指摘されたものですよ。

物語は、魔術師と人間の混血の少年たちがあっち(幻想領)とこっち(人間界)を行ったり来たり....なファンタジーです。激しい魔法が出てくることは無いのが良いところです。

1/2 (1)バリエの少し後に出たのが同じく木々さんの『1/2〜ニブンノイチ〜』(秋田書店)2巻です。実は横の画像は1巻の表紙です。主役が出ているのがこちらだったからというのと、2巻の表紙は知らない人が見たらBLっぽいからです。
彼女の作品の中で1番のお気に入りです。
この絵の2人は双子ちゃん。男の子がドギーで女の子がマギーです。この2人、「交替生存」という特殊事情を抱えた双子です。交替生存とは、1人が活動している間もう1人が仮死状態になってしまうことを指します。眠りにつくのではなく仮死になるのです。そして仮死中の子は活動中の子と五感がつながっていて、活動中の子が見たり聞いたりしたことを感じ取ることができるのです。

不思議な双子の周りに少々訳ありな人たちが集まって......というお話です。
木々さんのお話は「やりすぎない」ところが安心できます。とりわけ悲しい、辛い、痛いなど負の方向へ進みすぎないのですね。それを「物足りないなぁ」と云われたことがあり、それはそれでなるほどと納得しました。ただ、私にはもともと追いつめられるような話を好むところがあり(単にそういう感覚しか理解できないという欠点のせいですが)、こんな風に健康的な気持ちを持つ世界は新鮮です。届かないと解っていながら憧れる、きれいなお話です。

この他に買った本は以前に取り上げたことがあるものばかりです。
新刊が出る度に愛と萌えをぶつけては鬱陶しいですから、タイトルだけずらり。

✩緑川ゆき『夏目友人帳』4巻
✩高尾滋『ゴールデン・デイズ』6巻
✩成田美名子『花よりも花の如く』5巻(以上すべて白泉社 敬称略)
恋愛がメインのお話には見事に惹かれないので、断然花ゆめ派なのです。

それからオノ・ナツメさんを2冊。
『GENTE』1巻(太田出版)
『リストランテ・パラディーゾ』の外伝です。『リストランテ』は1巻物なので外伝の方が長くなります。ジジさんがお気に入りなのですが、小さなフランチさんも大好きです。
『さらい屋五葉』3巻(小学館)
松さんのお話です。『五葉』は今、連載がとっても面白いですね。以前はイチさんの正体が知りたいと思っていましたが、そこが明らかになったらこのマンガは終わってしまうではないかと気がつき、最近は「ずっと秘密のままで良いです」と勝手なことを云っています。

最後がこちら。買ってきたばかりです。
『架カル空ノ音』2巻(エンターブレイン)
私の中では『五葉』と1・2を争う文句なしの面白さ。空を駈ける心意気が素晴らしい。1巻の時に熱く語りすぎて、著者ご本人にまで驚かれてしまいました。好きの温度は変わりませんが、暑苦しいので今回はあっさりここまでです。

真のマンガ読みの方たちからすればなんてことないでしょうが、私にとっては目一杯です。年に1回、多くて2回出るかなという作品が一斉に出たので、これだけの数になりました。
他にもたくさんお借りして読ませていただきました。みんな、ありがとう。

さあ、そろそろ絵の無い本を読むことにしましょう。
livre コミック | cm:8 | tb:0 |
Fri.

la variation pour garçons

変奏曲 vol.1 (1)こういうお話好きでしょ! と鞄に突っ込まれました。竹宮惠子さんの『変奏曲』(マガジンハウス)です。

稀代の才能で若き巨匠となるものの、常に病魔に脅かされるウォルフ。
一流の腕前を持ちながら奔放な言動で周囲を振り回すヴァイオリニスト・エドナン。
2人の天才少年の邂逅と別れの物語です。

ええ、好きです。好きですよ。
でも......よ、読みにくいんですけれど。
(汗をふきふき)

竹宮惠子さんは『風と木の詩』しか読んだことがありません。文庫で10巻だったでしょうか、とても濃密で読みでのある作品でしたが、絵に入り込めなくて大変だった思い出があります。
今だったら『地球へ・・・』ですね。アニメがたいそう面白いと聞いています。SFにはどうも食指が動かず見ていないのですが、もしかして損をしているでしょうか。

変奏曲 vol.2 (2)...で、『変奏曲』です。
本を渡されるまでこの作品のことはまったく知りませんでした。
続き物のお話ではなく、ウォルフとエドナンの出会いから別れまでの数年間を、テーマを変え視点を変えて何度もなぞる連作です。読み始めの頃はこの構成に「???」となりましたが、途中で「だから『変奏曲』なんだ」と気づきました。
原作は少年合唱評論家の増山法恵さんです。
それでここからが私には何が何だか解らないのです。今2巻まで読んだところで、秋に3巻が出て完結です。ところがもともとこの作品は未完で、その最終話が3巻に収録されるのだそうです。第1作発表から33年目の完結ですって。33年ですよ。
そんな(多分)待望の完結編が、なんと増山女史による小説版だと云うではありませんか。
........なんで? なんでマンガではないのですか?

そう云えば『地球へ・・・』も今、別の方の絵で連載されていますね。こちらの絵の方が読みやすいなと思って眺めていますが、竹宮さんはもうマンガをお描きにならないのですか。身近にファンがいなくて、皆で「なんでだろうね」と首を傾げています。
進歩できない私たち。
元祖音楽漫画「変奏曲」コミック・サウンドトラック
作中に出てくる曲を集めたサントラも出ますよ。
このような “本のサントラ” も定番になりましたね。クラシックの間口が広がるのは良いことです。私の周囲はまだ誰も興味を持ってくださいませんが。

ちなみに私はウォルフが好きですよ。
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Sat.

la vie est belle

amato amaro (EDGE COMIX)『amato amaro』(茜新社)。
オノナツメさん、ひさしぶりにbasso名義の新作です。
bassoの時は一応BLという括りになるのですが、うわッと目を剥くシーンはありませんので、いつものオノ作品として読めます。大丈夫です。
(「BLはちょっと...」とか「あの絵でBL!?」とかいろんな敬遠のされ方をしたので太鼓判を押してみました)

『リストランテ・パラディーゾ』『LA QUINTA CAMERA』『クマとインテリ』などオノさんのイタリアものを読むと、いつもこの言葉が浮かびます。

  素晴らしき哉、人生!

どの作品からも人と人との出会い、触れ合い、関わりから生まれ出るものの尊さを感じます。それは当人以外にとってはあまりにもささやかで取るに足らないものかもしれませんが、人生のあちこちで起こるその一瞬は小さな煌めきとなって降り積もり、生きることそのものを彩るのでしょう。
そう云えば『DANZA』には日本のお話もありましたが、あれも心を交わすやさしい瞬間のお話でした。
オノさんは良い眼をお持ちの方です。
変な褒め方で申し訳ありません......。

けれども好きなオノ作品はと問われれば『さらい屋五葉』『not simple』! と即答するのです。
8月は『GENTE』と『五葉』、2冊も出るなんて嬉しいな。
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Sun.

天才たちの邂逅

チェーザレ 3?破壊の創造者 (3)待ちに待った新刊が出ましたよ。
『チェーザレ』3巻(惣領冬実 講談社)です。心待ちにしていたのに発売日は知らなくて、『Dark Seed』を買いに行った折りに発見、「わ、わ、わ、チェーザレだ!」と毛色のまったく違う2冊を同時購入いたしました。

1・2巻を読んだ時の熱情にはいささかの翳りもありません。なんて面白いのでしょう。2巻でダ・ヴィンチと出逢ったチェーザレに、今度はマキャヴェッリが接近します。あぁ、あの人がマキャヴェッリだったなんて! 変なヘアスタイルをしているから、てっきり悪の手先だと思って警戒していましたよ。人を見かけで判断してはいけません。
そして前回はチェーザレって本当はいい人なんだと思いましたが、やっぱり酷い人かもしれないと考え直しています。このままではアンジェロはいずれ痛い目を見そうです。

この作品は物語だけではなく衣装や小道具、背景に至るまで描き込みが素晴らしいです。さらに装丁が良いです。マンガなのにカバーに絵が無いのです。画像にある絵は帯です。外すとコミックとは思えない品格のある顔になります。いえ、絵に品格が無いと云うのではありませんよ。絵は美麗です。中にカラーページも再録されていて、それはもうきれいです。ただ一般にコミックはごちゃっとした装丁のことが多いですから、『チェーザレ』の潔いシンプルさは注目に値すると思うのです。カバーの紙が手垢の付きやすいものなのが難点ではありますが。

巻末にはしっかりとした解説がついています。これを読むのも楽しみの一つです。参考文献も挙げられていて、どんな本かなと興味が湧きます。基本になっているのはサチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝です。イタリア語の本! なんてすごいのでしょう......と毎回同じことに感嘆する私は、なんとまぁ間が抜けているのでしょう。感想を少しは進歩させたいので、そうだ、4巻がでるまでにこの時代のことを勉強しましょう。そうすれば同名異人や名前が似ている人がこんがらがって困ることも減るかもしれません。そうだそうだ、そうしよう。
......で、どこから始めれば良いのかしら......?

ちなみに作者惣領冬実さんのサイトでは、設定についての細かいお話や作中には書かれなかった歴史のお話が読めます。「Information」から「Work's Information」へ進むとあります。

......え? 初版にミス!?
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