Un secret
短くて、かつ優れた小説には敬意を払わずにいられません。
もっとも面白くて長い小説というのも好きで、読んでいる途中にまだたくさん残っているページを摘み「まだまだこんなに読める」と確認するのはちょっとした楽しみではあります。紅茶にマドレーヌを浸しただけで長々と思い出してしまう人につきあうのも一興です。
けれども1行たりとも無駄に使われず、蘊蓄の披瀝や情念の迷宮に酔うこともない、白い紙の上の端正な活字たちが誘う物語の高み(あるいは深み)へ足を踏み入れるのは、独特の心地よい緊張感を生み出します。
煉瓦のような四角い本を矢継ぎ早に出す人よりも、ごく稀に小品を〜まるで心の中に留めおけない綺麗な雫がこぼれるように〜発表する小説家に惹かれるのです。
だから好きな作家が「200枚など紙屑を増やすだけ」と書いておられるのを見た時は、読む一方の身ながら打ちひしがれてしまったものです。
最近居住まいを正して読んだのが『ある秘密』(フィリップ・グランベール著 新潮クレスト・ブックス)です。
平たく云えば大戦中のユダヤ人問題を扱った、著者の自伝的作品です。
タイトルにもなっている「ある秘密」とは、始めは両親が息子を守るために隠していたもの。後に秘密への鍵を手にした息子は、今度は彼が両親を守るために思いを巡らせます。「秘密」自体の正体は変わらないまま、それを抱えた人物により少しずつ性質を変えてゆくのです。
ユダヤ人、強制収容所、ガス室などの象徴的な単語をできるだけ避けた抑えめの文章から、いろいろな感情を預けられたように感じました。
<高校生のゴンクール賞>受賞作です。フランスの高校生のみなさんは見る目があります。
こういう雰囲気の本を読むと、原書に触れたくなります。
フランス語をもっと頑張らなくちゃ。
もっとも面白くて長い小説というのも好きで、読んでいる途中にまだたくさん残っているページを摘み「まだまだこんなに読める」と確認するのはちょっとした楽しみではあります。紅茶にマドレーヌを浸しただけで長々と思い出してしまう人につきあうのも一興です。
けれども1行たりとも無駄に使われず、蘊蓄の披瀝や情念の迷宮に酔うこともない、白い紙の上の端正な活字たちが誘う物語の高み(あるいは深み)へ足を踏み入れるのは、独特の心地よい緊張感を生み出します。
煉瓦のような四角い本を矢継ぎ早に出す人よりも、ごく稀に小品を〜まるで心の中に留めおけない綺麗な雫がこぼれるように〜発表する小説家に惹かれるのです。
だから好きな作家が「200枚など紙屑を増やすだけ」と書いておられるのを見た時は、読む一方の身ながら打ちひしがれてしまったものです。
最近居住まいを正して読んだのが『ある秘密』(フィリップ・グランベール著 新潮クレスト・ブックス)です。平たく云えば大戦中のユダヤ人問題を扱った、著者の自伝的作品です。
タイトルにもなっている「ある秘密」とは、始めは両親が息子を守るために隠していたもの。後に秘密への鍵を手にした息子は、今度は彼が両親を守るために思いを巡らせます。「秘密」自体の正体は変わらないまま、それを抱えた人物により少しずつ性質を変えてゆくのです。
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フランス語をもっと頑張らなくちゃ。
- livre 海外文学
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- 2006.11.12
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