『王朝美の精華・石山切』という展覧会へ行きました。
とても素晴らしかったです。
ぶらぼー! ぶらぼー!
疎い分野を予備知識を仕入れることなく見に行ってしまったので、ここからの説明は展覧会の図録とチラシからの受け売りです。
「石山切(いしやまぎれ)」とは、「本願寺本三十六人家集」(国宝・西本願寺蔵)のうち、「貫之集 下」「伊勢集」の2帖の断簡(1冊にまとまっているのではなく、切れ切れになっているもの)を指します。
「三十六人家集」は元々は本の形をしていましたが、1924(昭和4)年に宗教女子大学設立資金とするために、「貫之集 下」「伊勢集」の2帖が分割譲渡されることになりました。その際、本願寺がもとあった地名にちなんで「石山切」と名付けられました。
実際に目の当たりにすると、溜め息をつくしかないような美しさです。
これを小分けして売るなど美への冒涜だ! と卓袱台をひっくり返したくなりますが、美術館の見解はこうでした。文化財の解体ではあったけれど、そのおかげで多くの人の目に触れるようなったのだ、と。つまり、「三十六人家集」は平安の昔から代々天皇家に伝えられ、本願寺に下賜されてからも見ることができたのは身分の高い人だけ。明治以降は人目に触れることすらなかったそうです。
それが機会さえあれば庶民も見られるようになったのです。
なるほど、そう考えれば災い転じてなんとやら、ですね。
さてこの石山切の何が美しいかと申しますと、それはもう「料紙とかな(ひらがなの“かな”です)が織りなすハーモニー」に尽きます。安っぽい表現になってしまって悔しい限りです。
まず料紙。様々な種類、色の紙に文様を摺り出したり描いたりして、それらを組み合わせて1枚の紙にします。大胆な色合わせ、貼り合わせの「きれいレベル」の高いこと!
そこに流れるようなかな文字が載ります。
私は絵画以上に書に疎いものですから、何が書いてあるかは読み取れません。ぽつりぽつりと読める文字があるというだけです。そのため余計に模様のように見えてしまいます。
この文字のレイアウトが料紙と上手く合っていて、作った人の美意識の高さ確かさに驚嘆します。
できればすぐにでもお見せしたいところですが、絵画ではないので画像掲載の是非が判りません。展覧会サイトの画像へリンクしますので、よろしければご覧くださいませ。
『貫之集 下』より
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藤原定信筆 おもひあまり ・
藤原定信筆 秋たつ日『伊勢集』より
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伝藤原公任筆 子日松 ・
伝藤原公任筆 ふみとめてこんなに素敵なものを手にしたら、うっとりする以外に何が出来るでしょう。
全部でおよそ100点の石山切が大集合です。これほどまとまって展示されるのは78年ぶりとのこと。良い機会に恵まれて、なんとも幸いなことです。
石山切以外にも他の古筆切などがたくさんありました。石山切の一部は、明治時代に田中親美氏が製作した副本と一緒に展示されています。田中親美氏は『三十六人家集』の他『源氏物語絵巻』の復元模写で有名な方です。本物同様に料紙を作るところから始めた模写の数々は、私など「保存状態の良い本物」と云われたら信じてしまいそうな見事な出来映えでした。
期間中程で半数強の展示替えがあります。
なんとか都合をつけて、残りも見たいと思っています。