私が見たのはBプロでした。当地は一公演なので選択権なしです。
舞台に上がったのは2年生から9年生まで。学年が上がるごとに、いかに技術と表現力が伸びるかを実感しました。
プログラムは第一部がガラ、休憩を挟んで第二部が『パキータ』でした。
*第一部*
『ラ・シルフィード』よりパ・ド・ドゥ
『くるみ割り人形』よりパ・ド・トロワ
『眠れる森の美女』よりパ・ド・ドゥ
『シェエラザード』よりデュエット
『偶然の出会い』
『白鳥の湖』より小さな四羽の白鳥の踊り
『マルキタンカ』よりパ・ド・シス
『ラ・シルフィード』は時に「だだだだいじょうぶかっ」と手に汗握りましたが、トップバッターですもの。緊張しますよね。
『くるみ』は2・3年生の小さな子たちです。踊りも笑顔もいっぱいいっぱいなところがかわいいったらありません。
『眠れる〜』のセルゲイ・ウネマツさんはすごかった。すごかった!
竜巻のように回る回る! 『くるみ』のおちびさんたちの後だったので、上手さが余計に際立ちます。回るのはもちろん飛ぶのも止まるのもピシリと決まっていて、この夜もっとも素敵な人でした。
『シェエラザード』は大人が踊る時のような熟れた感じはないものの、「愛欲」の「欲」より「愛」が前面に出ていて若者らしい健やかさに好感を持ちました。
『白鳥』は7年生が一人と5年生が三人です。バレエダンサーが過酷な訓練を感じさせずに優雅に踊ってみせる姿は、ゆったり水に浮かぶ白鳥が水面下ではせっせと足を動かしている様子に例えられます。今回の白鳥たちは水面下が丸見えでした。きれいに揃うところとどうも上手くいかないところがあるのです。でも彼女たちもきっと、瞬く間に美しい白鳥になるのでしょう。
『マルキタンカ』ではソリストのユーリアさんが猛烈に愛らしくて困りました。どうしよう。
そして『偶然の出会い』です。
予定ではここはショパンの『ノクターン』でした。これまで見たことがなかったのでガラの中で一番楽しみにしていました。変更を知ったのは会場でいただいた配役表を見た時です。軽くショック。
こちらは見たことがないどころか、まったく知らない作品です。変更がギリギリだったのか、パンフレットにも何の解説もありません。まったく予備知識のないまま見ることになりました。
うわー、コンテンポラリです。ワガノワもこういうの踊るんだ〜と呆然。
踊ったオリガ・グロモワさんとワシリー・トカチェンコさんは共に9年生。知らずに見たら学校生とは思えないほど、大人の雰囲気を醸し出していました。
ただし、カッコいい作品でしたけれど趣旨がいまひとつ解りませんでした。タイトル通り「偶然の出会い」という部分しか見えないのです。二人が惹かれているのか駆け引きなのか....??
オペラ座がやる『プルースト』に『偶然の出会い』という場面がありますけれど、あれなのでしょうか。この前出たDVDを見れば判りますね、多分。迷っていないで見ておけば良かった!
*第二部*
『パキータ』です。
オープニングはポロネーズで下級生たちが登場。どの子も誇らし気なおすまし顔です。
そしてソロのアナスタシア・ニキーチナさんは、手足がスパゲッティみたいに細くて本当に可憐! そのままオルゴールにしたいぐらいです。
云うまでもなくワガノワは数多のバレエ学校の中でもトップクラスの一つですが、生徒はまだまだ発展途上の子供たちです。よろめこうがバラけようが失敗もご愛嬌、みんなかわいいしみんな上手という気持ちで見ています。
けれどもこういう40分もある作品でソロを務めるほどの子は、やっぱり違うのです。超絶技巧を連発するわけではなく、他のダンサーと同じ動きをしていても彼女にはどこか華があります。ほんの僅か、でも決定的な違いを持つ子だけが、さらに高みへと上がっていけるのですね。
またいつか、アナスタシアさんを見ることができるでしょうか。
大人になっても妖精さんみたいでいてください。